ブラジル脳回転軸 パート1



平成が間も無く終わりを告げ、新しい時代が始まろうとしている。そのことに触れる時、いつも頭を過る歌がある…。すきかちっ第七弾では秋田における新エンターテイメントの創造者であり、今もトップランナーとして走り続ける株式会社ダースエンターテイメントの代表・浅野克紀さんに迫る。彼のインタビューを読んでいるとあの歌がまた聞こえてくる。「時代を始めるよ」と。

挑戦・仲間・信頼・活力・進化でダース!

M:Matirog :浅野克紀 M今回のすきかちっにご登場いただくのは「ダースエンタテイメント」代表、浅野克紀(あさの かつのり)さんです。僕の子どもは今2歳で、浅野さんのお子さんは3歳になられるということで、社長としてだけでなく、パパとしても大先輩です。今回はダースエンタテイメントのシャツを着てお越しくださいました!

はい! 制服兼作業服です。

M僕の会社、ファイオン株式会社もオレンジ色がコーポレートカラーですが、浅野さんの会社もオレンジですね。

ファイオン株式会社さんも、同じオレンジなんですね!

Mはい、ちょっと先輩の真似をしてみました(笑)
オレンジ色は人をやる気にさせたり、情熱が沸いたりするそうです。知的な要素もあるらしいですよ。浅野さんはどうしてオレンジを選ばれたのですか?

僕は純粋に好きな色がオレンジなんですよ。

M僕と同じですね!僕もオレンジ色が好きでコーポレートカラーにしたんです!

プロフィール:
株式会社ダースエンターテイメント代表取締役。
2008年8月8日に会社設立後、各種イベント企画・運営プロデュース、制作業務を行う。
『地元愛』をコンセプトに活動している秋田のアイドルグループ「pramo(プラモ)」や男性ボーカルユニット「VOLOR(ヴァロー)」のマネジメントを手掛ける。また、そのノウハウを生かし、2014年10月には秋田初・発の芸能アカデミー「エンターテイメント アカデミー オブ アキタ」を開講。今までの秋田にはない新しいエンターテイメントの形を創造し、チャレンジし続けている1人である。

Mさて、会社の名前である『DACEE(ダース)』の由来を調べさせていただいたところ、D・A・C・E・Eにそれぞれ意味があるようですが、説明していただけますか?

かつてブラジルで半年ほどサッカーをしていた時期がありまして、そのころに使っていたポルトガル語の頭文字を一つずつ繋げました。
“D”は『Desafiar(ディサフィア)』で「挑戦」、“A”は『Amigo(アミーゴ)』で「仲間」、“C”は『Confiar(コンフィア)』で「信頼」、“E”は『Energia(エネルジア)』で「活力」、“E”は『Evoluir(エボルイール)』で、「進化」です。この頭文字を繋げると、「DACEE(ダース)」となります。
秋田県を中心に活動するため、「だー」や「だす」のような秋田県民にとって耳なじみがいい音を使いたい思いもあり、DACEE(ダース)と決めました。

M秋田県でDACEEは定着していますよね。

お陰様で、設立から10年経ちました。

鉄則は、礼に始まり礼に終わる

M:Matirog :浅野克紀 M秋田県を代表するご当地アイドル「pramo(プラモ)」の生みの親ですよね。色々なCMやイベントで活躍されていて、彼女達を見ない日はありませんよ!

pramoの卒業生もそれぞれ活躍してくれているのが嬉しいですね。

Mpramo時代に色々経験し、学んだからこそ、卒業後も活躍できるんだと思います。

大人と会って話す機会が非常に多いので、面接などで物怖じしなくなったと彼女たちは言ってくれますね。

Mpramoさんのメンバーとは、僕もイベントでよくご一緒させていただきますが、楽屋挨拶が完璧です! 僕がまだ仕事スイッチの入っていない時でも、とても元気よく
「pramoの○○です! よろしくお願いします!」と挨拶してくれて、いつも感心します。

僕が彼女たちに最初に伝えるのは、「歌やダンスが上手くなくてもいいから、挨拶だけはしっかりしなさい」ということです。僕自身音楽は詳しくなかったので、とにかく「礼に始まり礼に終わる」は徹底しました。そのおかげで、見てくれていた多くの方から、pramoを使いたいと声を掛けていただけるようになり、メンバーも成長することができました。

M卒業生メンバーについて教えてください。

2016年10月に卒業した吉川 茉優(よしかわ まゆ)は、現在アイドルグループ『アップアップガールズ(2)』(あっぷあっぷがーるずかっこにき)で活動しています。

MMAYUちゃんですね! もともとオーラがありましたが、今はさらに磨きがかかっていますよね。

彼女の良さは、仲間を大切にすることですね。

Mそれで仲間からの信頼、DACEEの“C”でもある「Confiar(コンフィア)」が厚いんですね。

はい。仲間からの信頼が得られていて、加えて自己表現力が強くなると、ソロとしてもさらに活躍の場が広がるので、今後さらに期待しています。
それから、今年話題になった金農(秋田県立金足農業高等学校)出身のKOMUGIも、2017年3月に卒業後、活躍していますね。

MKOMUGIちゃんですね! 今は東京の事務所に所属して舞台を中心に活躍されてますよね。

金農といえば今年、高校野球で秋田県勢としては103年ぶりとなる準優勝を果たしましたよね! 私も秋田県から甲子園まで行ってきました! 甲子園のアルプススタンドに着いたときは、ここは秋田県か? と思うほど、仲間がいっぱいいましたよ。

M先輩タレントのシャバ駄馬男さんもいらっしゃったようですね。閉会式の時に虹がかかったようですが、同じタイミングで秋田県でも虹がかかったそうですよ。

愚痴から始まるビジネス展開

M:Matirog :浅野克紀 秋田県には可能性がまだまだたっぷりあると思います。というのも、例えば東京で居酒屋に行くと、周囲のお客さんの話題がネガティブなことが多いように感じます。一方、秋田県で居酒屋に行くと「もっとこうすべきだ!」のように、愚痴でも、その先の展開に繋がっているんです。ひとつになって動き出せば、良くなっていくと思います。

M浅野さん自身、愚痴から始まって、ビジネスとして展開したことはありますか?

愚痴ではありませんでしたが、「これやったらおもしろいな」で始まったのが、pramoですね。あと、男性ボーカルユニットのVALOR(ヴァロー)もそうです。

Mえ?! そうなんですか?? まず、pramoさんはどういう展開でできたのでしょうか?

10年ほど前に、ある会社のオーディションを手伝わせていただいたことがあって、そのオーディション担当のチーフが、「秋田県ってかわいい子がいっぱいいるね。いい素材を持った子がたくさんいるんだから、集めてグループ作ったら面白いんじゃない?」と話してくださったんです。音楽業界やプロデュースについては無知でしたが、面白そうだ! と思い、やると決めました。

Mそんなに即決だったんですか! わからない分野への挑戦は大変だったのではないですか?

そうですね。わからないことは色々教えていただきましたが、どれも首都圏がベースの方法だったので、秋田を盛り上げることを美学として、秋田県でも受け入れられるようにアレンジし、インプットとアウトプットを重ねました。

M何か新しいことを考える人は多いですが、浅野さんのすごいところは、実際に行動し、結果を出しているところですよね。

アイドルに企業スポンサーをつける!?

M:Matirog :浅野克紀 Mアイドルグループのpramoを始めたことで、一番大変だったことはなんですか?

ご当地アイドルがどうやってビジネスになるのかという部分です。CDやグッズ販売のような方法はありますが、ある程度の限界があります。
そこで思いついたのが、サッカーチームにスポンサーがつくように、ご当地アイドルにも企業スポンサーをつけようということだったんです。全国にはご当地アイドルが1,500グループほどありますが、企業スポンサーをつけたのは、おそらく僕が初めてなんですよ。

Mそうなんですか?!

このアイディアを100以上の企業に伝えたところ、唯一ダイハツさんが「おもしろい!」と言ってくれたんです。そこから、CMやラジオ番組の仕事が増えました。最初にスポンサーになってくれたのが、大手のダイハツさんだったお陰で、他の企業に対しての信頼も得ることができ、サポートしてくれる企業も増えていきました。

M企業がスポンサーであれば、やはり要望は多くなりますよね。

スポンサーである企業のイメージを落とすわけにはいきませんので、アイドルたちは普段の生活から見られていることを意識しなければなりません。

Mないとは思いますが、未成年のアイドルがタバコを吸うとか、お酒を飲むようなことがあっては絶対にダメですよね。

1期のメンバーは、随分鍛えられたと思います。
お酒といえば1期メンバーで2代目リーダーだったSERENはもともと語学が得意で、それを生かせる仕事に就きたいと、pramo卒業後に語学も活かせる業界の大手企業へ就職が決まったんです。

M素晴らしいですね!

彼女が二十歳になったときに、マネージャーと3人で初めてお酒を飲みに行ったんですよ。小学生のころから知っている女の子が、今やお酒を飲める年齢になったわけですから、なんだか違和感をおぼえましたね。ざっくばらんに、アイドルとして活動していた頃の苦労話をしてくれました。彼女は男鹿出身なので、かなりの酒豪ですよ(笑)

M親心のような気持ちでお酒をかわしたのですね。pramoの先輩として、アイドルのノウハウを、しっかり後輩へ受け継いでいるんだと思います。

現役メンバーの中にはまだまだ未熟な子たちもいますけどね。苦労しているメンバーとそうではないメンバーとの差をどう埋めるかが課題です。

M僕から見ると、ブログの更新も毎日されていますし、ダンスや歌、お化粧の仕方など、どんどんスキルアップされているように感じます。
pramoを卒業されて半年ほど経つ澤井優香さんも、住宅のCMやFMラジオなどで活躍されてますよね。

今は、住宅メーカー村岡組デザインのイメージキャラクターとして活動しています。対談もやらせていただきました。スキルも随分身に付いて成長しましたがpramo時代はなかなかの我の強さで苦労しましたよ。彼女はpramoに5年間在籍していましたが、一番の問題児でしたね。

Mそうなんですか? イベントでご一緒させていただきましたが、3代目リーダーをされていたので、トークもしっかりしていましたよ。

かつては先輩やスタッフともよく意見がぶつかって、雰囲気が悪くなることも多くありましたね。

Mそうだったんですか。意外ですね。

僕も、最初は何だコイツ! と思いました。ふわっとした雰囲気とは裏腹に、人一倍負けず嫌いなんです。でも、負けず嫌いも高じて、みるみる成長していきましたね。

M浅野さんの教育の仕方が上手いからだと思いますよ。

澤井優香に関しては、手に負えないこともあって放任しました。結果的に、僕が教えずとも自ら気づいて成長したことが、彼女のすごさですね。

★次回配信★

浅野克紀さんの「ブラジル脳回転軸。vol.7-#2」は10月9日配信予定です。
お楽しみに!